紺色のひと

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2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年、僕たちのソフトパレード

時間の感覚が薄れてしまって、年が変わるカウントダウンがうまくできずにいた。僕にとって12月31日は、部屋の床に寝転がって窓の外を見て、今年何があったかを思い出しながら噛み砕くような作業が必要な日だ。今年は30日になってもその気持ちの切り替えがう…

妻のお腹のことと、中のひとのこと

寮のことをゆっくり考える間もなく、あっという間に11月は過ぎてしまいました。この記事を書いているのも12月の終わり頃で、年の瀬の慌しさなんかを感じたりしています。 今週の末で、妻のお腹は7ヶ月を迎えます。日に日に大きくなってゆくお腹を毎日のよう…

男!ふんどし!『ケイメイ寮祭 THE FINAL』のすべて

僕が大学生活を送った寮には、ふんどしになって夜の街を練り歩き、最後には公園の堀に飛び込む――という実に「大学男子寮のステレオタイプ」な寮祭がある。諸事情により今年で45年の歴史に幕を閉じることになった寮祭を淡々とレポートするよ。 『世の中には二…

寮私小説『モーニングスター』6.別れの歌がうたえない

ああ、きっと、目まぐるしく続くこの生活は、何かに気付いたときにはもう終わりを迎えているのだろうな。 映像を伴った強烈な記憶がある。卒業を前にした、十一月頃のことだったと思う。 僕たちは、近所のスーパーに買い物に出かけたのだ。四人揃って、自転…

寮私小説『モーニングスター』5.山霧が、晴れました

寮についての最初の記憶はなんだっただろうか。さして深く潜ることもなく、僕は思い出すことができた。 初めて僕が寮を訪れたのは、そこに住むことになる半年ほど前、二〇〇二年の九月のことだった。見慣れない土地の寂れた道を歩き、辺りを見回しながらなん…

寮私小説『モーニングスター』3.四天王、来札

「――というようなことをさ、現在のおれの状況とか交えながら書いて行こうと思うんだけど」 僕のアパートに着き、荷物を降ろしたふたりに言った。 「きっかけがあってさ、寮小説書こうと思ったわけ。でも、おれのことだからなんか自分以外に急かされないと完…

寮私小説『モーニングスター』2.それはまさに明けの明星

誰かが廊下を歩く気配がして僕は身を起こした。同時に頭の奥に腐ったような痛みを感じ、ひでぇなぁと呟いてゆっくりと体を横向きに戻した。曇り空は明るく、枕元の携帯電話に手を伸ばすと二時を過ぎたところだった。床に湿ったふんどしが落ちているのが見え…

寮私小説『モーニングスター』1.寮の話を始める前に

僕は待っていた。 小説を「つかまえる」というなかなか素敵な言い方がこの世にはあって、あえてそれに倣うならば、この十日程の間、書き出しが向こうから僕につかまえてもらいに来るのを待っていた。 思えばニ年以上、寮で生活していた期間を含めればもっと…

寮私小説『モーニングスター』について

「モーニングスター」は、僕が2008年に書いた私小説です。 大学生活を送った寮について「自分のために書き遺す」ことを最大にして唯一の目標として執筆を進め、08年7月・10月に市内で行われた同人誌即売会で頒布しました。 この度、その舞台となった寮が建て…

熊森協会、初の北海道講演を傍聴してきた

10月30日、日本熊森協会では初めてとなる北海道講演が開かれました。僕は以前から「熊森協会の理念には大きな歪みがあり、どんぐり運びをはじめとする彼らの活動ではクマのためにも森のためにもならないのでは?」と感じ、本ブログ上で活動の問題点の指摘を…

記念写真と荒ぶる妻の安定期的な何か

10月10日、結婚式から丸二年が経過しました。 昨年と同じ場所で記念撮影をしよう、と妻とでかけ、例によってポーズをキメて写真を撮りました。 ついでと言ってはなんですが、ご報告があります。 まずは、一年前の写真。記事はこちらの「記念写真と荒ぶる鷹の…

サケで人生を語れ! 紅鮭マンガ「CRIMSONS」がアツい!

人間は、自分以外のものに人生を重ねて語らずにはいられません。大海原の航海、独りきりの旅路、立ち寄った飲み屋での邂逅、様々な生き物たち…。その想いを重ねられた幾多の事象の中で光る銀鱗、それがサケです。ベニザケの生き様を通じて、生きるとは何か、…

熊森協会「ヒグマを殺せばいいという道民は野蛮」←道民は怒っていい

札幌の街中でヒグマ出没が相次ぐ、というニュースが流れています。本件に対して「日本熊森協会」がコメントを出していますが、記述があまりに不正確なうえ、北海道民を明らかに侮辱する内容であると感じ、批判するとともに主張内容を分析しました。 なお、ヒ…

札幌のヒグマ出没についてちょっとしたまとめ

札幌市内でヒグマの出没が相次いでいます。山林に面した同市内では、これまでもヒグマが目撃されることは珍しくありませんでしたが、今回は中心部にほど近い住宅街での目撃が多発したため、大きなニュースとなりました。10月10日現在での出没状況を簡単に整…

秋だ!川ガールだ!サケと一緒に遡上ダイエット

いやー秋ですなぁ。食欲の秋、スポーツの秋、そして川にはサケが群れをなして押し寄せる秋。おや、川ガールの”みなもちゃん”が、なにやら川でダイエットに挑戦するらしいですよ…? 川ガール、みなもちゃん再登場! ある晴れた秋の日。「真の川ガール」を体得…

川の中の墓標

彼等は海からやって来る。大群となってやって来る。川面に背鰭をなびかせて、川底に腹を摺り付けて。 秋は、彼等の産卵の時期であり、そして同時に死の時期でもある。僕が歩いた川原で死んでいた、彼等サケマスのホッチャレた姿だけを集めた。 川の中を歩く…

熊森協会の「ツキノワグマは絶滅寸前」って本当なの?

日本熊森協会はクマ(ツキノワグマ)を中心とした保護活動を手がけています。協会の主張のひとつである「動物たちの生息地である奥山を復元しよう」には、「クマは絶滅寸前なのに殺されている保護すべき存在」という認識が見て取れます。 でも、本当にクマは…

日本熊森協会のズレた「絶滅」観

飢えたクマを救うため、と主張し森へドングリを運ぶ活動を行った日本熊森協会の主張に、「ツキノワグマは絶滅危惧種だから保護しなければいけない」「絶滅危惧種を殺すなど言語道断」というものがあります。しかし、協会の主張を見ていくと大きな矛盾が見つ…

絶滅危惧種を殺しても罪に問われない!

ニュースなどで「絶滅危惧」という言葉を聞くと、「今すぐ絶滅しそうなんだ!」「保護しないといけないのかな」と思わされることがあります。 ところが、絶滅危惧種を選定する環境省のレッドリストでは「どの種がどの程度絶滅しそうか」とランク付けがされて…

「クマのプーさん」はやっぱり男の子だった件

8月24日、Twitterで「クマのプーさんは実は女の子だった」という説が話題になっていました。びっくりされた方が多かったようで、たくさんリツイート(発言転載)され広まったようです……が、プーさんはまぎれもない男の子です。原作の絵本と英語の原著に当た…

あの日、夏の終わりに、10年後の8月また会えると信じた僕達などいない。

「10年後の8月」を迎えた彼女らの曲に関する自分語りを通して、世界といかに向き合うかを改めて考えてみただけの文章。自分勝手で傲慢な祈りのために、この恥ずかしい独白をここに残すものである。

怪奇!川ガール男 〜森ガールみやまちゃんの妹あらわる〜

森ガール、山ガール……。自然の名を冠したガールは数あれど、そう言えば「川ガール」って聞いたことないな、と思ったことはありませんか? 本エントリでは、実際に川にでかけて、真の川ガールとはどんな存在か考えてみました。 川ガール、みなもちゃん登場! …

進研ゼミ漫画を読んで次はキミの番になりたい奴ちょっと来い

突然ですまないが、今僕の目の前には、108冊の漫画がある。ただの漫画ではない。いや、実質タダの漫画ではある。 「ゼミなら部活と勉強が両立できるぜ!」「この問題、『チャレンジ』でやったのと同じだ!」「さあ、次はキミの番だ!」 これらのセリフに聞き…

とどかない言葉をとどけたいから

本エントリでは、「米のとぎ汁乳酸菌」に関わるやり取りを題材に、根拠のない健康対策やニセ科学・トンデモと呼ばれる情報を信じる方に対して、どのように意見を発信したらよいのか、どうやって問いかけをしたら聞いてもらえるのか……について考えてみたいと…

海鳥とネコの楽園、北海道・天売島でオロローン!

北海道北部・羽幌町の沖に浮かぶ二つの島、天売(てうり)と焼尻(やぎしり)。天売島は海鳥の繁殖地として利用されており、近年減少傾向にあるウミガラス、通称オロロン鳥の数少ない繁殖地としても知られている。7月・海の日の連休に、海鳥と島に暮らすネコ…

椿の奇形と不安の種と

「庭の椿の葉が奇形になっている、放射能の影響では?」という話題をtwitter経由で目にしました。 「元からそういう形の品種だったのを勘違いしているのでは」と思い、原因ありきの結果探しが生む不安の渦と、不安に対してできることについて考えてみました…

水際の記憶

僕の記憶に強く残っているエロマンガのタイトルが「Water's Edge」で、大人になってから再度入手しようと思ったけれどそれは叶わなかった。多分、というかほぼ間違いなくそのマンガとは関係なく、僕の好きな場所は水際になって、出張の隙を見つけては川や海…

日本一のカニのカーニバル「枝幸かにまつり」に行く

北海道の食べ物で有名どころと言えば、サケ、ウニ、じゃがいも、とうきび、ジンギスカン、ラーメン、マルセイバターサンド……などなど枚挙にいとまが無い。もちろんホッケも。海産物から農産物まで食べ物がおいしいというイメージは一様に持たれているように…

ホッケ釣って食って

妻の父、すなわち僕の義父は釣りキチである。釣り好きが高じて一時期釣り雑誌にコラムを掲載していたほどだ。「娘を嫁にやるなら一緒に釣りに行ってくれる男がいい」との言葉を残した、との噂もある。このたび、そんな義父からホッケ釣りでも行かないか、と…

僕の妻は俺の嫁

エルトン・ジョンの名曲に「Your song」(邦題「僕の歌は君の歌」)があります。僕が初めて付き合った女の子に教えてもらった歌です。そのこととは全く関係ありませんが、三度目の結婚記念日を迎えました。 初めての結婚記念日…というか、結婚前夜のことはよ…