紺色のひと

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2015-01-01から1年間の記事一覧

2015年、旅立ちのソフトパレード

2015年、僕はいわゆる人生の転換期を迎えた。新卒から9年間勤めた会社を辞め、やまがた県に移住する決断をしたのがそれだ。 心づもりは2014年11月頃の時点でできていて、それを年が明けた1月に上司に伝えたところから旅立ちが始まる。 これを書いているのは…

鮭累々

サケが累々としていた。 そこは孵化場で、川から引かれた水路に導かれるようになだれ込んできたサケが、すのこの上に次々と揚げられて、システマチックに――と表現するにはあまりに原始的だけれどシンプルで美しい手法によって、腹を割かれてゆく。卵はひとと…

いまさら『氷菓』の話をしよう

米澤穂信の青春ミステリ小説「古典部シリーズ」を京都アニメーションがアニメ化した「氷菓」。原作を何度も読んでいたこともあり、アニメが始まるのを大変楽しみにしていたのだが、放映時にはほとんど見ることができなくて、この度ようやく全話を通して見終…

絵本「せいめいのれきし」に改訂版が出ました

絵本「ちいさいおうち」で知られる作家、バージニア・リー・バートン。彼女の作品の中で、いえ僕がこれまで読んだ絵本の中で、もっとも好きなのが「せいめいのれきし」です。幼い頃から何度も繰り返し読んで、娘にも何度も読み聞かせたこの本。この度、やや…

からだの経験値を稼ごう

4月の末くらいまで、家のすぐ裏でウドとタラの芽、コゴミがたくさん採れた。シドキと呼んでいたモミジガサも少し生えていたので、一度摘んできた。5月に入るとフキが伸び始め、作業道の脇にはミズと呼ばれる青い葉がだんだんと丈を高くしていった。 ミズ、フ…

西の・光が・強い・ところ

十年前、この土地で暮らしていたときから、西日の強さが気になっていた。春霞のけぶる稜線がシルエットとなり、近くの小高い山々の、スギや葉桜、竹林が明るく浮かび上がる。水が入る前の田はトラクターで掘り起こされ、乾いた空気に細かな土ぼこりを舞い上…

今日までの人生とこれから

本日付で、新卒入社した会社を退職した。辞める決断をしたときはこの先どうなるのだろう、どうすればいいのだろう、という不安と、それでも前に進まなければいけないという焦燥感が強くあったが、決めてしまってからは、行動のひとつひとつが前向きな何かに…

そんな宛名のない手紙:やまがた県に移住します

こんにちは。なんでも地球温暖化とか異常気象に結び付けて語りたがるひとに辟易する今日この頃、あなたがいかがお過ごしか皆目見当もつきません。 春から生活が一変するので、この場をお借りして報告いたします。 家族で山形に移住することにしました*1。ち…

熊森協会の言う『餌付け』とは一体なんなのだろうか

日本熊森協会さんは、奥山保全などの活動をされている実践自然保護団体です。ただ、その活動や自然保護観は、一般的な保護・保全手法と一線を画しており、観念がズレていたり、思い込みが過ぎるように見える部分があったり、独自定義の語を使ったりしている…