紺色のひと

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2008-01-01から1年間の記事一覧

初夏と時間

夏と時間

いつの間にか夏である。サミットによる警備が物々しい街中も、半袖で外を出歩ける夜も、じっとりと滲む額の汗も、これでもかというくらいに夏である。 時間の経過を感じる。友人の婿入りの報せに、「お前も三年目か」という上司の言葉に、人ごみで酔うことも…

はてなカメラバッグだしに鰈な便乗

そんなバトン貰ってないしそんなブームも過去の話になったのだけどそんなの知らんがな と、新しいかばんが届いてうはうはなクドウさん(id:TRACK)が言っていたのでこの機に便乗してみようと。スタイリッシュな大学院生とは一線を画した中身だなあ、と自分で…

出先のひと

そんな宛名のない手紙 その3

こんにちは。 自分のために書くということを、少しずつ我がものにできてきているような気がするこの頃、あなたがいかがお過ごしか皆目見当もつきません。 以前だったら「これはこうやって言葉にすればいいんだ」とか、「こういう語り口だったら面白いんじゃ…

僕たちの音楽だった

実家から、昔買ったミスチルのアルバムを引っ張りだしてきた。中古を漁るように買っていた中学生の頃のものだと思う。深海アーティスト: Mr.Children,桜井和寿,小林武史出版社/メーカー: トイズファクトリー発売日: 1996/06/24メディア: CD購入: 6人 クリッ…

ポプラの季節

平和で安穏とした週末を過ごしている。大きな予定が入っているわけでもなく、街に出て久しぶりに髪を切ってもらったり、14ミリのレンチを探したり、ヨドバシでモバイル機を買おうかうんうん唸ったり、父親くらいの年齢の知人と久しぶりに会って話をしたり、…

つかまえること

しばらく待っていた。「小説をつかまえる」というなかなか洒落た言い方がこの世にはあって、あえてそれに倣って言えば、ここ10日程書き出しがやってくるのを待っていた。 思えば2年以上、寮生活中を入れればもっと長い間、書きたい、書かなくちゃ、と思い続…

「グリーンウッド」実写ドラマ化のニュースを会社で知って吹いた

普段テレビを見ないので、この情報を知ったのが遅いのかどうかもわからないのだけれど、非常に重要なので記しておくことにする。 那州雪絵「ここはグリーン・ウッド」実写ドラマ化(http://www.greenwood-tv.com/) wikipediaによる作品紹介→ここはグリーン…

小さな天狗の山をゆく

恋人を連れて、近場の山を登ってきた。登山というよりは低山のハイキングといったほうがしっくり来る道行だったけれど、彼女は初めてで靴も真新しいし、僕も傾斜を進むのは久しぶりだったのでよかったと思う。 六月も半ばになり、草花の花はほとんど消え、新…

浴衣同士と夜の蝶のひと

この街では六月のこの時期に神宮の例大祭があって、露天が並ぶ公園の近所に実家がある僕は毎年のように浴衣を着て出かけていた。去年は出張で行けず悔しい思いをしていたので、今年はなんとしてでも夜店を回ろうと思っていたのだ、恋人と浴衣を着て。 いつも…

屋外のひと

今週一週間、ずっと現場で屋外に出ていた。肘から先と顔だけ黒くなって、手の甲と二の腕の裏の色が同じ人間ではないみたいな色になっていて面白い。 ずっと考え事をしてはノートに書きつけていたのと、ついったにぽちぽちと書いていたので更新はしなかったけ…

同人誌作成を決めるに至ったその動機と目的についてまとめる

動機 大学祭で文科系サークルの冊子を読んだことがそもそものきっかけ おれはなにをしてきたか? という自問自答をせざるを得なかった 小説や紙媒体の「形」として遺しておかなければならないことがある それらは僕の大学生活における寮生活のことである 自…

きっかけはささいなことであった

思うところあって、地元の同人誌即売会に参加することにした。そう決めたのだ。もちろん僕に漫画は描けないので、創作(二次創作ではない)というジャンルの文字ものになる予定である。夏と秋に一回ずつの参加を希望している。 こうして書いて残しておけば、…

飢えるひと

漫研の冊子、アニ研の冊子、そして学生演劇。僕はそのどれもに満足することなく、一方でそのことに充足感を覚えている。常に満足することがない、という意味で、僕は飢えている。また、他人が作ったものにけちをつけるばかりで、自らが作るものには自信を持…

学生の祭り気分とその中の若い大人について

近所の大学の大学祭に、恋人とふたり出かけてきた。僕は大学祭などに合わせて発行される紙媒体の創作活動記録、つまり文芸部の部誌などを集めるのが大変好きだ。ということで、お好み焼きで腹を満たし、恋人の手を引いて探した。 パンフレットに目を通してみ…

椿やさん

連休に旅先で買った椿の苗を白い鉢に植え替えて、恋人の部屋に置いている。まだ20センチくらいだけれど、ひと月で新しい葉を4枚開かせた。大きくなったら大きな鉢に植え替えたいし、いつか庭を持つことがあったら同じように日当りのいいところに植えたい。椿…

おもいで、さすらい、かりそめ、まろうど

閉店ぎりぎりの本屋にかけこみ、おお振りの新刊と一緒に手にとって購入。出たのは知っていたものの購入を見送っていたけれど、いーちゃん(id:shokou5)が好きなら読まないわけにはいかない。おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル)作者: 鶴田謙二,…

10年よりも前のこと

このところ考えることが10年前、中学校にいた頃のことばかりなのが興味深い。 例えば小説をはじめとする芸術活動が、それを行うひとのそれまでの経験や記憶や思い出、あるいはそれらによって形成されてきた感性を切り貼りしたり掬いだしたりして為されるもの…

彼らとの間に双方向の友情はあり得ない

三次会が終わり、さぁ次はどうしようかというテンションが周りを包んでいる中、新郎に別れを継げて場を後にした。新郎の高校・大学時代の友人や新婦の友人はあらかた解散し、残っているのはほとんどが小中学校のときの友人たちだった。分ければ僕もそこに分…

幼い日の手のぬくもりはおっくせんまんの価値があるか?

小学校から高校まで一緒だった連中がいくらかいる。親同士の付き合いが続いていたりするせいもあり、僕が連絡を取っていなくても、母から彼らの近況を聞くことが少なくない。 ケンちゃんが、今度しげ(僕のことだ)と飲みたがっていたよ、と母からのメールに…

ゼンマイを巻いて歌いだせ!

鍵盤もいいけど、やっぱりストリングスが好きだという結論に達した。弦楽器やってて残念なのは、バイオリン一本じゃあまり迫力がなくて使いどころが難しいところ、弾きながら歌うのが難しいところだけれど、オーケストラになればほら、鳥肌モノ。 くるりの「…

議論の余地しかない(議論ニガテについて)

大変なことに気づいてしまった。なんだかいつも大変なことに気づいているような気もするが、それだけ僕は自分のことばかり考えていて、そのうえ自分が気に入らなくておまけに懐疑的だということを表している。 大変なこと、それは、僕はここ数年議論らしい議…

おたくの息子さん

漫画はよく読むほうだと思うが、同世代のオタクと比較しアニメの類はほとんど見てこなかったと思う。有名どころですら話についてゆけない。当然新しいものを追いかけることもせず、ここ1.2年で流行ったものを話題にのっかる程度に見たくらいだ。 今日、つい…

すべての会話を思考に置き換えること

ねとらじのことを考え始めたので、実験的にいくつかのことをやってみようかと思っている。 今まで僕が長い間やってきたのは、自分の思考を書きながら言葉にまとめて整理する、ということだった。書いて、自分の考えを知る。例えばこれを、話言葉でやってみる…

調子ライダー

どうもこのところの自分が調子に乗っていると思えてならない。食べるものや暮らし方がそうだ。金額の問題だけではなくて、いくつかのことが身の丈に合っていないような気さえする。黒飴がたくさん入った100円の袋を買って、コーヒー牛乳を牛乳で割って飲んで…

いつかあなたに second season

布団に顔を伏せて、じっと雨音を聞く。時計の秒針と自分の息づかいとが耳に入ってくるけれどそれは雑音で、ただたらたらだたら、と続く雨の音が、とても心地よく僕の体を揺らしているのがうれしい。ずっと昔、もし僕がなんども生まれ変われるのなら、そのう…

めも

井上陽水/奥田民生「手引きのようなもの」 初恋の嵐「真夏の夜の事」 スネオヘアー「フォーク」 HARCO「1分の1の地図」「記憶全集」「お引越し」「NightHike」 小島麻由美「夏の魔物」 メレンゲ「すみか」「タイムマシーンについて」 おおはた雄一「おだや…

オヤジの階段登る

仕事が早く終わったので職場に程近いアウトドア&釣り具店で新しい帽子を買い、恋人と合流してパンを買い、近所の焼き鳥屋さんへ行った。ビールで喉の乾きを潤すようになったらオヤジだと思っていたはずなのだけれど、僕の今日の一杯目は明らかにそれで、ま…

桃色音読野郎による恋文のすゝめ

もっと早くに、できれば学生寮時代に読み始めていればよかったと最近とみに思うのが森見登美彦氏の作品群である。登美彦氏の衝撃作「四畳半神話大系」が上梓されたのが2004年の冬、僕が寮に入る前の冬であることを考えると、これほどの巡り合わせもないとご…