紺色のひと

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ポプラの季節

平和で安穏とした週末を過ごしている。大きな予定が入っているわけでもなく、街に出て久しぶりに髪を切ってもらったり、14ミリのレンチを探したり、ヨドバシでモバイル機を買おうかうんうん唸ったり、父親くらいの年齢の知人と久しぶりに会って話をしたり、レンチで自転車の整備をしたり、この間古本屋で買ってきた大判の「海底二万海里」をぱらぱらとやったりしている。これは福音館書店の古典童話シリーズから出ている1978年八刷のもので、分厚くて大きくて本を読んでいる、という気になれるのが好きだ。中学の頃は定期テストのたびに同じような大判の「はてしない物語」を読み返していたことを思い出す。本の中身も好きだけれど、僕は本、書籍という媒体に特別な感情を抱いているのだと思う。
不思議なことに、書き進めているものにはまったく手がつけられなかった。酒を飲んでしまうと駄目だし、書く方向に気持ちを誘導しなければいけないとわかっているのだけれど、未だその部分について自分を御することができないでいる。
窓の外から子どもの声がする。一緒になって遊びたい。天気も悪くない。実家に帰る約束をした時間までまだあるし、近くの大学に散歩にでも出てみようかと思う。さっき通ったときは弾き語りサークルが群れていた。いつのまにかポプラの種が大気に含有されている季節になっていたと、ようやく気づいた。