紺色のひと

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ひとり前夜祭 第二夜

今晩は、明日から全く違った生活を歩むことになるという意味で、大事な夜のはずだ。7日前からカウントダウンもした。けれど僕はそのカウントすら途中で数えることを忘れてしまっていて、こうして最後の日になって、ああそうか、と思い出すことになっている。
いいのだ、これで。僕は思う。
今まで何度も繰り返してきたのは、はしゃいで、気負っては慣れない騒ぎ方をし、派手に失敗するというサイクルだ。そのたびに僕は笑ってごまかす。そういうのはもう、いいのだ。失敗するのが嫌というよりは、背伸びしている自覚を持ったまま、爆発するのがわかっているコードを切るような、そういうやり方を選ぶのが不自然だと思い始めてきている、ということだと思う。
だから、今回も、これでいいのだ。特に予定もなく、仕事や身の回りの用事に負われて、父と母と弟の顔を見に実家に帰り、お茶を飲んで、そうして終わる。きっと、これでいいのだ。