紺色のひと

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2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

妹ができました、もとい。

はじめて妹が欲しいと思ったのはいつ頃のことだっただろう。弟たちや従弟ども、三人兄弟の幼馴染たちの中で育った僕は、家庭に母親以外の女性がいる、ということについて現実的に考えることができず、家庭の外では女性にどう接していいのかわからないままと…

ひとり前夜祭 第三夜

深夜の道道を走りながら音楽を聞いていた。今の、落ち着かないような安らかなような、平静を装っているような、かといってあーもうっと髪をかきむしるほどでもないこの気分に、スネオヘアーがとてもよく合った。「のびたテープ」「ピント」あたりがとてもよ…

ひとり前夜祭 第二夜

今晩は、明日から全く違った生活を歩むことになるという意味で、大事な夜のはずだ。7日前からカウントダウンもした。けれど僕はそのカウントすら途中で数えることを忘れてしまっていて、こうして最後の日になって、ああそうか、と思い出すことになっている。…

ひとり前夜祭 第一夜

持ち歩いている手帖に、自分自身のことを書くことが少なくなった。考えごとをしなくなった訳ではなくて、生活を構築することや生き延びることからの脱却とか、暮らすことへの昇華、なんかについて思いを巡らせてはいる。けれど、僕の内から「死なないように…

アサイさんの引越し前夜

一昨年の秋に独り暮らしを始めて一年と半分、僕は居を移すことにした。 この大学の傍のアパートは学生ばかりで、ほとんど部屋に帰らない僕はその学生っぽい雰囲気に浸ることができず、結局部屋はただ職場から戻って寝る場所としての機能を忠実に果たし続けた…

先生と会った

上司に買い物を頼まれて行った電器屋で、高校時代の恩師にばったり会った。先生はもう僕の母校にはおらず、汽車で一時間くらいの町の学校に通っている、ということを聞いていた。 先生は老けていた。薄かった髪に特に変化はなかったけれど、顔全体にしわが寄…

春の嵐が吹き荒れる

ついこの間まで雪が降っていたとは思えない陽気が続く。今日は仕事を終え、いつものアパートとは逆方向、市内の実家へ向かう地下鉄へ乗った。 何千回と駆け上がった階段を上がり、小さな川の上の小さな橋の上でひと息つき、帰り道を辿るまばらな高校生を尻目…

「モテキ」の感想を書くよ。

恋人が表紙買いしてきた久保ミツロウ「モテキ」を読んだら、思いのほかがっつりと抉られてしまった。30近い男の心情を描いたものに共感するなんて年取ったなあとか、いちいち落ち込み方がリアルだなぁとか、そういうことを考えて紛らわせようとしたのだけれ…

「子どもウケするジブリ」について考えてみる

先日、複数の幼女とお泊まりをした。 誤解を招くといけないので正確に書く。関わっている環境教育でお泊まり会があり、子どもたちと山小屋に一泊した。子どもたちがはしゃいで遊んで遊んでとまとわりつくので、世代を超えて共通認識がありそうなネタを振るこ…