紺色のひと

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表現者と僕

例によって前段部が長いのであらかじめ申しておくと、僕は若い絵描きが大好きなのだ。これは、僕の暮らす北の地の、若き漫画家さんたちとその若き編集者たちの創ったものを賛美する記事である。

  • 前置き

去年の暮れ、自分に創造的な能力がないことをいいかげん認めた。それからはずいぶんと気楽になって、歌をうたったり楽器を弾いたりすることに目的なんか見出さなくてもいいと思えるようになった。

  • 表現についての羨望

それでも、僕には芸術的な表現手段を持っているひとを尊敬しているし、常に羨望を抱いている。特に視覚的な映像や絵についての技術や想像力を持っているひとに強くそれを思う。

ところで僕は年齢、あるいはそのひとが生きてきた時間の長さというものに非常に重きを置いている。だから必然的に、年が近くて芸術的なものを持っているひとに強い興味を抱く(それが女のひとだったらなおさらだけれど、ここでそれについては触れない)。

同時に、僕はそのひとが暮らしている場所や生きてきた土地がひとに強く影響を与えると思っている。だから必然的に、北海道や山形に縁のある表現者に強い興味を抱く。

  • 本題

先日、道新でこんな記事を見つけた。

フリーペーパーで新たな漫画文化を 北大院生らコミック誌 「ラグ」10日創刊 札幌の大学で配布
大大学院生らのグループが十日、フリーペーパーの季刊漫画誌「コミック・ラグ」を創刊する。フリーペーパーというと道内では飲食店や求人などの情報誌が多く、漫画をメーンにしたものは珍しい。北海道は、いがらしゆみこさんやモンキー・パンチさんら著名な漫画家を多数輩出しており、「新しい漫画文化が生まれるきっかけになれば」と意気込んでいる。
漫画は知人のつてをたどって、札幌にゆかりがある漫画家の卵などに執筆を依頼。A5判一部カラーの八十八ページの創刊号では、若者向けのファンタジーなど読み切り、連載合わせて六本を掲載する。編集部員お薦めのケーキ店を紹介する漫画も盛り込み、地域色も出している。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/85360.php

素晴らしい。僕は上記の理由でたいへん興奮した。弟たちに声をかけ、配布日に構内を探すよう頼んだのだけれど、兄の熱意は当然のように伝わらず、僕は仕事帰りに「なくなってないだろうか」と焦って、近所にある大学の閉まる直前の食堂に駆け込んだ。あっさりと見つかった。
ファンタジーあり、学園モノあり、街のケーキ屋さん紹介漫画ありと内容も盛りだくさんなのだけれど、なにより僕が嬉しかったのは、編集後記にあたる部分から、手作り感が溢れてそれがこぼれて若い臭いがすることだった。読んでいるこちらまで赤面してしまう雰囲気のものもあり、僕は同じように若い臭いがする自分の高校時代の学校文集を思い出してすぐに忘れようとしたが無理であった。
ということで、札幌在住で興味がおありの方は最寄の大学を探してみてください。この記事で欲しがるひとも相当アレだと思うけれど。
comicrag.com
Comic RAG 編集部BLOGもあるよ!