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紺色のひと

思考整理とか表現とか環境について、自分のために考える。サイドバー「このブログについて」をご参照ください

サンショウウオの卵もおいしそう?

春が遅い。本当に今年は春が遅い。エゾヤマザクラの花がようやく咲き始めました。
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4月の下旬まで寒々しい日が続き、遊びに行った先の山々に積もった雪は少しも減っている気がしません。札幌市内でも好天に恵まれず、連休は冷たい雨に降り込められて鬱々と過ごしました。
去年の5月中旬といえば、もうライラックが咲き始めている頃で、二週間くらい季節の進むのが遅いんじゃないかという気分になります。
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15℃を越える日が幾日かあり、ようやく少し暖かくなってきて、遅れていた両生類の産卵も始まり出しました。これはエゾアカガエルとエゾサンショウウオが同じ水たまりに産卵しているところ。
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ところで僕は以前、カエルの卵がおいしそうだと思って、実際に食べてみたことがあります。

カエルの卵がおいしそう - 紺色のひと


僕はどちらかというと、カエルよりサンショウウオのほうが好きです。例年に遅れること一〜二週間、ちょうどサンショウウオの産卵時期になったので、お休みを利用してちょっと探しに行って来ました。




◆北海道の両生類

もともと北海道に生息する両生類は4種類。2種のカエル(エゾアカガエル・ニホンアマガエル)と2種のサンショウウオ(エゾサンショウウオ・キタサンショウウオ)がそうで、これらに加えて現在は5種のカエル(アズマヒキガエル・ウシガエル・ツチガエル・トウキョウダルマガエル・トノサマガエル)が国内移入種として入ってきています。在来種よりも外来種のほうが種類が多いというのも皮肉な話ですよね。
僕はまだ、エゾアカガエルとニホンアマガエル、ツチガエル、そしてエゾサンショウウオの4種類しか見たことがありません。ウシガエルは山形に居た頃に銛で突いて食べたけれど、北海道に戻ってきてからは幸か不幸かまだお目にかかっていないのです。鶏の味のホタテを食べてるみたいな肉でした。



◆エゾサンショウウオの貴重な産卵シーン

※章タイトルは釣り。「オオグンタマの貴重な産卵シーン*1」的なアレが言いたかっただけです。


さて、北海道でごく一般的にみられるエゾアカガエルとエゾサンショウウオ。これらの卵の違いを見てみましょう。
エゾアカガエルの卵。おなじみ、ひと塊にごちゃっとしてますね。
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これに比べて、エゾサンショウウオの卵は、二本の房が一対になった形状。DNAらせんとも違うし、ブドウとも違うし、なんと例えたらいいものでしょうか。
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エゾサンショウウオの卵、これは産まれてそう時間が経っていないもの。水を吸って膨らむ前は白く濁っています。
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水を吸うとこんな感じに。
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産卵が早かったのは、卵の中で育ちつつあります。
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葉っぱをひっくり返すと、あ、まだ成体が居ました!
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エゾサンショウウオは普段森林内で生活しており、水の中にいるのは卵〜幼生の時間だけ。産卵の時期は水辺に成体が集まってくるので、他の時期に比べて見つけやすいんですって。
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◆エゾサンショウウオを食べる

エゾアカガエルに続いてサンショウウオも、と思っていたのですが…。
実は、エゾサンショウウオは北海道が定めた北海道レッドデータブックで「留意種」という指定がされている、いわゆる希少種なのです。
エゾサンショウウオ:北海道レッドデータブック(両生類・爬虫類)
―→エゾサンショウウオ:詳細
絶滅の危機に瀕しているか、と聞かれればそれほど危険度が高い指定ではないのですが、絶滅危惧種に関連して、やれクニマスだ、やれウナギだ、やれツキノワグマだと言っている手前、「指定ランクが低いから食べてもいいだろ」というのもなんだか違う気がします*2
結局、僕はエゾサンショウウオの卵を食べないことに決めたのです。何より、カエルよりおいしくなさそうだし


ちなみに、「イモリと山椒魚の博物誌―本草学、民俗信仰から発生学まで」によると、サンショウウオ(本州に生息するハコネサンショウウオカスミサンショウウオ)の幼生や成体をおどり食いして、滋養強壮や精力増強に用いた地方があるとか。またイモリと同様、成体の黒焼きや燻製を薬として用いた記録もあるようですね。

焼いて食べたとか、粉をまぶして空揚げにしたり、てんぷらにしてみたら、けっこうおいしかったというような話は、方々の山村などで聞かれる

栃木県鬼怒川温泉のさらに奥にある湯西川温泉郷は平家落人の里として有名で、深山の自然をまるごと食べる料理ともいうべき「平家落人料理」がある。わらびやぜんまいの煮物、囲炉裏には、山鳥・えのき・わらびその他を材料とした山菜鍋、まわりにはニジマスや山鳥の串焼きに加えて、ムササビや山椒魚の串焼きまである。味噌だれをつけてじっくり炭火で焼きあげるのだが、山椒魚は精力剤として効き目があるという。イモリにみた感じが似ていて、口にするのをためらわれるが、肉質がやわらかく、けっこううまいといわれる。

けっこううまい! ほんとかいな。
その他、「河童と蛙」でおなじみ草野心平やムツゴロウさんが丸呑みにして食べたエピソードが紹介されていたりしました。
なお、卵を食べた記述は本の中にはありませんでした。


北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑」では、エゾサンショウウオ外来種アライグマにより食べられ、食害を受けていることについても書いてあります。外来種により在来種に被害が及ぶ非常に典型的な例であり、「どこまでも、生命尊重思想を貫いて対処すべき」などというお題目では到底解決できない問題なのですが、そんなことより僕は聞きたい、アライグマさん、エゾサンショウウオっておいしいの…? 尻尾は残すんでしょ…?



◆まとめ

サンショウウオの卵はおいしそうじゃなかったので食べませんでした。




おまけ。
節操のないカエルさん。なぜサンショウウオにまたがる。とりあえず掴まることができればいいのか。
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参考文献

北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑

北海道爬虫類・両生類ハンディ図鑑

使用した水中カメラ

SONY Cyber-shot TX20 (1620万/光学x4) ブラック

SONY Cyber-shot TX20 (1620万/光学x4) ブラック

*1:ラーメンズ「日本のステキな都道府県」いわゆる「千葉滋賀佐賀」

*2:それを言ってしまうと、釣りの対象魚でありスーパーにも並んでいるサクラマス(ヤマメ)なんかもレッドデータブックに載っている魚なので、線引きは個々人やその状況で大きく異なりますが…。