アウトドア・フィールドのための長靴選び
3月も半ばを過ぎ、春が近づいてきたような気がします。
野外でも生きものたちが動き出し、それを追う生きもの大好きっ子さんたちの息が荒くなる季節です。
本エントリでは、アウトドアレジャーや野外フェス、外遊びに欠かせない長靴のリーズナブルな選び方について考えてみることにしましょう。
まえがき
九州では既に梅が散ったとか、関東でも桜のつぼみが…なんて話も聞こえてきますが、ここ北海道は今日も雪。道路の脇に避けられた灰色の雪山が融けるのはまだ先の話です。
個人的には今時期から四月半ばくらいまでを「北海道で最も汚い季節」と位置付け、じっと春の訪れを待つことにしています。
とはいえ、それでも春は来るわけです。オウ、スプリング! カミングスーン! オウイエー! カミング! 雪融けでグズグズになった林を歩いてカエルの卵を探す春の空気、なんと待ち遠しいことでしょう!
いそいそと長靴を引っ張り出してみたら、ありゃ、穴が開いています。そうだ、去年裂けたまんまにしてたんでした。接着剤で応急処置をしても限界、そろそろ買い替えどきかなぁ。
ただ、そんなに使用頻度の高いものでもなし(多くて週に1〜2日程度)、一方で消耗品みたいなものだし、あんまり高額なのもなぁ。かと言って、ホームセンターに二、三千円くらいで並んでる、黒ともう一色、みたいなのもちょっと格好悪いし…。
ということで、格好よくて、そんなに高価でない(予算数千円〜1万数千円)長靴を選んでみましょう!
野外活動における長靴選び
「何のときに履く長靴か」目的をはっきりさせよう!
さて、選ぶにあたっては、「自分がどんな使い方をするのか?」をはっきりさせておく必要があります。長靴は大変汎用性の高い履物ですが、それゆえに用途によって求められる要素が多いとも言えましょう。
重要になりそうな要素として僕が思いつくのは、
- 長時間履いて歩いても疲れないほうがよいか?
- 脱ぎ履きし易いほうがいいか?
- 硬い素材がよいか、柔らかいほうがよいか?
- ソール(足裏)は厚いほうがいいか薄いほうがいいか?
- 持ち運びが容易なほうがよいか?
あたりです。
用途別だと、例えば
- 山菜取りや山歩き、野外フェスなど、一度履いたらなかなか脱がないし、長時間歩く→足首が細めでしっかりと足にフィットするもの
- 庭仕事のように、立ったりしゃがんだり、脱ぎ履きの頻度が多い→柔らかめで脱ぎ履きにストレスのないもの
- 旅先や電車移動後に使用する→折り畳み式のもの
なんかを選べばよいでしょう。
ところでタイトル画像、川ガールのみなもちゃんが川原で長靴を履いていますけれど、濡れた石の上をゴム底の長靴で歩くと大変滑りやすく、危険です。川原を歩くときは釣り用の、底がフェルト製の長靴なんかを選ぶと良いですね。
できれば実際に履いてみたいけれど…
長靴ももちろん靴ですから、実際に履いてみて、重さや履き易さ、歩き易さなんかを確かめてみるのが一番よいです。
しかし、履き比べができるほど多様な長靴が揃っている場というのもなかなかありません。アウトドアショップか、良くてホームセンターの長靴売り場で形ごとの履き心地を確認して、ネットショップなどで気に入った形と比べてみる……なんて購入方法が現実的なのかも、とも思います。
というのも、普段使いの靴と違って、長靴はいわば”極地突貫”用の特殊装備。いざというときに仕方なく履くのか、積極的に持ち出したくなるかどうかは「自分がこの長靴を気に入っているかどうか」にかかっています。
回りくどくなりましたが、結論を言いましょう。
長靴選びで一番重要なのはデザインだと。
ここまであれこれと「注意すべき点」を書いておいてなんなのですが、「webで長靴を探して購入を検討してここを見ている皆さん」にとって、現行の様々な長靴は、ある意味「どれを買ってもそも目的に足る」もののはずです。よほどハードユースで毎年二足三足を履き潰す方は、一万円前後のデザイナブルな長靴を選ばず、業務用のものを買うでしょう。
ここぞというときに使いたい方から、天気のいい週末にお外に遊びに行きたい方くらいまでの層にとって、選ぶべきは自分が気に入ったデザインのものである、というくらいに捉えていただければ幸いです。
僕の長靴を紹介します
せっかくなので、僕の長靴を例にして、チェックポイントを見てゆきましょう。
僕が去年秋まで使っていたのはコロンビアのラディ([コロンビア] Columbia ラディ YU3647 425 (Columbia Navy/8))という長靴です(写真左)。ちょっと修復不可能な穴が開いてしまったので、国産長靴メーカー:ミツウマのグリーンフィールド( 【GREEN FIELD】 L-01 ブラック SS(23.0?23.5) (35/MU) (グリーンフィールド) )(写真右)を購入しました。この二つが長靴の対比に適しているかは置いておいて、違いを見てみることにします。
ラディは丈が高いですね。グリーンフィールドの総丈が38cmですから、40cmくらいはありそうです。水の中を歩くひとには心強いかもしれません。またラディが全体的に硬めで形が変わりにくいのに対し、グリーンフィールドは細身ではあるもののやや柔らかめ。
ラディの最も大きな特徴としては、つま先からくるぶしまでの「硬さ」にあると僕は思います。脱ぎ履きがややし難いのですが、履いてしまうと抜群のフィット感で、長靴を履きながらにして全力ダッシュができるのです。
他方、ラディはその硬さゆえか、走ったりしゃがんで写真を撮ったり、ということを二年ほど繰り返した結果、硬いつま先部分が割れてしまいました。
(写真で黄色くなっているのはセメダイン等を上から塗って固めた応急処置の名残です)
ミツウマ・グリーンフィールドはラディほどの締め付けはないものの、足に合うサイズを選べばすっぽ抜けることもありません。(僕は通常27.5cmの靴で、この長靴は27cmのものを選んでいます。なおラディは28cmのものを履いていました)
また甲の部分がラディよりも高いですね。ソールはごつく、大変頼もしいです。購入した雑貨屋さんの店長さん(元靴屋さん)が仰ることには、ミツウマの長靴はとにかく滑らない、とのことでした。
今シーズンから野外デビューとなります。僕も知人から「長靴はミツウマ」と勧められて選んだので、どんな長靴かこれから楽しみです。
さて、前置きが長くなりましたが、実際に長靴のラインナップを見てゆきましょう。
とはいえ僕はこれらのほとんどを履いたことがないので、メーカーwebのリンクを貼るに留めておきます。
有名アウトドアメーカー
Columbia
Columbia(コロンビア) レイン ブーツ ラディII ウィンター ロングブーツ 長靴 レディース 010-Black 6(24.0) yu3720-60-010
- 出版社/メーカー: コロンビア
- メディア: その他
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mont-bell
パンタナルブーツ レディース /モンベル bn 24.0cm 1132117
- 出版社/メーカー: モンベル/mont-bell
- メディア: その他
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HUNTER
[ハンター] HUNTER ORIGINAL / WELLY W23499 NVY (ネイビー/UK5) [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: [ハンター] HUNTER
- メディア: ウェア&シューズ
- クリック: 452回
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Official UK Hunter Boots Site | Shop Wellies
THE NORTH FACE
ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE) ウインター キャンプ ブーディー(ブラック) NF51447-K K 10
- 出版社/メーカー: THE NORTH FACE(ザノースフェイス)
- メディア: ウェア&シューズ
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国産の老舗メーカー
長靴を生産・販売しているのはアウトドアメーカーばかりではありません。昔からプロのための長靴をつくってきた、国内のゴム屋さん、長靴屋さんなどが存在します。いくつか紹介します。
ミツウマ(小樽)
数多の長靴の中で、フィールドを意識した製品「グリーンフィールド」は野外活動でも高い評価を誇るという。北海道の会社だからか、冬用長靴のラインナップもあり、シンプルで格好いい(GREEN FIELD 暖か メンズ用防寒フィールドブーツ ミツウマ グリーンフィールド100)。
大正8年創業、日本屈指の歴史を誇る長靴メーカー。札幌にも店舗がありますよ。
第一ゴム(小樽)
フィールドブーツ、レインブーツのラインナップがある。
メーカーwebページ内の「長靴ができるまで」が勉強になります。
弘進ゴム(仙台)
HUMMER(ハマー) ラバーブーツH2?01男性用 H201
- 出版社/メーカー: ハマー
- メディア: ウェア&シューズ
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昨年の震災で一部工場が被災したが、被災者向けに履物の支援を行ったという。スゴイ!
株式会社双進
オリジナルブランド・Riverlleyを中心とした釣具関連メーカー。
http://www.sohshin-fishing.jp/Red/6267.php
…なのですが、現在長靴は取り扱っていない模様。
特殊な用途:折り畳み式の長靴
最近人気の長靴があります。ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか、それは折り畳み可能な、パッカブル長靴。バカップルではない、packableだ!
コロンビア(Columbia) レインブーツ(ラディーパッカブル)【221/7(25.0)】
- 出版社/メーカー: 株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン
- メディア: ウェア&シューズ
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僕は履いたら履きっぱなしなので、持ち運ぶ必要がないこと、僕が歩く場所はこの長靴では薄すぎてちょっと頼りないと感じること、などから持ってはいません。
おまけ:ストイック長靴
ここではアウトドア系の用途を中心に紹介しましたが、お読みの方には「こんなチャラチャラしたもの履けるか! もっとストイックなのがいいんだ! でもホームセンターで売ってる二色のやつは嫌だ!」という方もいらっしゃるでしょう。
ごあんしんだ、そういう用途に応えるものがちゃんとあります。それが耐油長靴!
[ザクタス] ZACTAS ZACTAS耐油衛生長 Z-01 ブラック(ブラック/26)
- 出版社/メーカー: ZACTAS(ザクタス)
- メディア: ウェア&シューズ
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[ミドリ安全] 作業靴 耐滑 長靴 HG2000N スーパー (ブラック/26.0)
- 出版社/メーカー: ミドリ安全
- メディア: ウェア&シューズ
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なお、白を選ぶと食品系の用途っぽくなります。
他にも、ごくごくシンプルなものとして田植え用長靴なんかがありますが、これは足裏も薄くて、本エントリの趣旨のひとつである街歩きには向かないでしょう。
おわりに
以上、簡単ではありますが長靴の選び方といくつかの商品ラインナップを紹介しました。
日本は縦に長いので、僕が春を待ち望んでいる今この瞬間も、どこか南のほうで春を感じている方もいらっしゃることでしょう。
願わくば、どこかの水辺や森の中、長靴を必要とする場所で、皆さんとお会いできることを。
それではよい春をお迎えください! オウイエー! カミングスーン!
参考エントリ:怪奇!川ガール男 〜森ガールみやまちゃんの妹あらわる〜 - 紺色のひと
12.03.21 20:20 川原での長靴の使用について追記しました
15.01.24 9:00 リンク切れ等を修正しました
16.02.06 12:00 リンク切れ等を修正しました