紺色のひと

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桃太郎の入った桃はどこから流れてきたのか問題

「写真で一言ボケることに特化したサービス」、ボケて。ここに投稿された「桃太郎」の裏設定ボケがはてブで話題になっていました。

【ボケ】鬼ヶ島では角が生えずに産まれた子供を大きな桃に入れて海や川に流す習慣があった。 - ボケて(bokete)
はてなブックマーク - 【ボケ】鬼ヶ島では角が生えずに産まれた子供を大きな桃に入れて海や川に流す習慣があった。 : ボケて(bokete)



なんかどこかで聞いたことがあるような、でも実際そういう設定だったら話がずいぶん広がりそうな、面白いボケです。僕は「『ボケて』の画像がたまにtwitterで流れてくるけど、いまいちこのサービス好きになれないんだよな…」と思っていたのですが、まあ、それはそれとして、この鬱エンド設定は面白いなーと思ったほかに気になることがありました。
それは、桃はどこから流れてきたのか?ということです。
皆様ご存知の通り、昔話「桃太郎」における桃は、川で洗濯をしているおばあさんの元に「川上からどんぶらこと」流れてくるものです。では鬼は桃をどこから流したのでしょうか? 鬼のねぐらである鬼ヶ島は海に浮かんでいるでしょうし、そこにある川や海に桃を流しても、ふつう川上にたどり着くことはあり得ません
ということで、上記の鬱エンド設定が前提の場合、どういう状況であればおじいさん家の近くにまで桃が流れ着くかを検討してみました。民俗学的な考察などは吹っ飛ばしてあります、悪しからず。


ある程度の定義づけ

wikipedia:桃太郎によると、桃太郎のストーリーにはある程度のばらつきがあり、また年代によっても変化が見られるようです。とりあえず物語の筋に沿っていて、この検討を進めるにあたって必要な条件を定義づけてみましょう。

おばあさんが桃を拾ったのは家の近くの川とする

おばあさんが河口近くまで洗濯にでかけて海辺で桃を拾うことも考えられなくはありませんが、おばあさんは「いつものように川にでかけて」洗濯をしていること、昔話で語られる田舎のイメージとしての山村を尊重し、ある程度上流で桃を拾ったものとしましょう。

鬼ヶ島は海に浮かんでいるものとする

岐阜県の伝承には、木曽川支流の可児川の中洲が鬼ヶ島だったとするものがあるとのことです(wikipedia:桃太郎神社 (犬山市))。中州の鬼ヶ島から流された桃をおばあさんが下流でキャッチ(下図参照)、桃太郎はお供と上流に向かう…というのは地形上とても美しくはあるのですが、鬼ヶ島のイメージとしてはやっぱり海に浮かぶ岩だらけの島というのが一般的かと思います。

↓こういうのはナシで



「桃はどこから流れてくるの」について普通に考えてみる

案1.鬼が上流まで運んでいった

鬼ヶ島で産まれた角のない子を忌み子として嫌い、海を渡った遠くの山のさらに上流まで捨てにいった、というケースが考えられます。桃太郎は偶然その下流に住んでいたおばあさんに拾われたのですね。鬼は近隣の村から略奪を行っていたとのことなので、海を渡る機会は少なくなかったとも思えます。ただ、氷女の隠れ里から谷底に投げ捨てられた飛影の印象が強い幽々白書世代としては、「わざわざ赤子を遠くまで捨てに行くものかなあ」と感じずにはいられません。

案2.実はおばあさんが住んでいたのも鬼ヶ島だった


「鬼が近くの川に桃を流し、おばあさんが近くの川で桃を拾う」という設定をごく自然に満たす考え方です。鬼ヶ島の大きさが気になるところではありますが、そこは物語上の演出でなんとかしてもらいましょう。



「桃はどこから流れてくるの」について少年ジャンプの論法で考えてみる

案3.桃には移動機能が備わっていた

すげえや! これなら鬼ヶ島から桃を流しても離れたところまで連れてってくれるんだな!
サイヤ人の赤ん坊がカプセル型の宇宙船に乗せられたのと同じ構図ですね。


案4.鬼ヶ島は空にあった

今までは平面的な考え方でしたが、Z軸方向にも考えを膨らませてみましょう。つまり、鬼ヶ島から流れた川が、おばあさんの住む山の上にあったとしたら…?

おばあさんの家の近くにそびえ立つ雲が岳(仮称)は、その名の通り天を突くほど高い山で、その頂上は常に雲の中にありました。いつものようにおばあさんが(雲が岳に端を発した)川で洗濯をしていると、(その源流である上空の鬼ヶ島から流された)桃が流れてきました。

こう考えればつじつまが合う気がしてきました。

桃太郎が「行くぞ〜〜〜!! ”鬼ヶ島”〜〜〜〜!!」と叫んだり、「どんっ!!」とか聞こえてきたりしそうです。



「桃はどこから流れてくるの」について世界観まで考えてみる

案5.世界は丸くなかった

「お前はまだ、『地球は丸い』なんてたわ言を信じているのか?」

世界は平らな一枚の板であり、鬼ヶ島はおばあさん達が暮らす世界の一層"上"にある存在であった。板の縁から流れ落ちた海の水は雨となり、ひとつ下の世界に雨となって降り注ぐ。"上"から落とされた鬼のなり損ない、角のない不完全な存在として捨てられた子らは、"下"の世界であるときは英雄になり、あるときは暴君になり、そしてあるときは半神的存在としてニンジャとなった。
昔話「桃太郎」は、自分を捨てた親への復讐であり、恩返しであり、そして彼自身の救済のための物語である。


桃太郎はふたつの世界を結び、そして繋げることができるのか!?

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「ドーモ、アカオニ=サン。ピーチジョンです。鬼全て殺すべし……慈悲はない」