紺色のひと

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おむつ夜曲

暑かった九月もいつの間にか終わりを告げようとしている。マチ子は5ヶ月になり、つい先日寝返りをうつことを覚えた。離乳食も始まり、表情も豊かになってきて、いよいよ眠って泣くだけの生き物ではなくなっている(大分前からそうではあるのだけれど)。
出張が多かったり、帰りが遅かったりと寝かしつけになかなか参加できず、妻に苦労をかけている。家にいるときは一緒に寝室に入って歌をうたったり交代であやそうと心がけているつもりで、大抵は適当なメロディを口ずさんだり、小学校や中学校でうたった合唱曲なんかを妻と一緒にハモったりしている。


マチ子が我が家に来て間もない5月、初めて体験する寝かしつけの苦悩を「眠ってくれるとありがたい」という歌にしてみたが、今晩も寝かしつけのときにちょっとした体験があり、また歌ができたので、録音してみた。

タイトル付けに悩んだが、「おむつ夜曲」と題した。



おむつ夜曲
作詞・作曲 アサイ


君の小さなその谷間を包む 白くて薄い一枚の紙おむつ
お尻に回した僕のこの右手が 今確かに感じた 一瞬の圧力
わずかに漂う匂いと音と 確かに感じた 一瞬の圧力

僕はすかさずビリビリを開いて 確かめようとしたその手を止めた
「いや待て空撃ちの可能性もある」 短い経験でも 正体を見極めたい


<サビ>
果たしてこれは実のあるものか 固体か気体か はたまた液体
開けてみるまで まだわからない シュレディンガーのおむつと 人は呼ぶのさ


君の小さなその谷間を包む 白くて薄い一枚の紙おむつ
メリーズかパンパースか それともムーニーマンか 土石流が大きな被害をもたらすとも限らない
決壊したらえらいことだ 休日の静かな夜はもう来ない


<サビ>
中身は希望か 長い夜の予兆か むしろ空であることさえ僕は望む
開けたが最後 全てを知ることになる パンドラのおむつと人は呼ぶのさ


いずれにせよ僕はこの右手で 真実を確かめなければならない
天地開闢の心構えでもって
震える指が静かにそっと ビリビリをつまんで岩戸を明けた



果てのない大空と 茶色く広がる豊かな大地


ちなみに、おむつ換えは今のところ全く苦ではない。乳ばかり飲んでいるせいだろうか。もっと月齢が進むと多様な匂いがするらしいと聞き及んでいるので、その頃にはもう少し心情の変化があるかもしれないな、と悠長なことを考えている。





ところではてなの「はてなわんわんワールド」が終了するという。大変感慨深いというか、個人的にとても思い入れの深いものだったので淋しい。