紺色のひと

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春を待つ、「ぽろん」と生を噛み、妻の生活音に耳をそばだて


妻が化粧を落としている。洗面所から聞こえる水音に耳を澄ませ、僕が生活に対して感じることを擬音で表すのならきっと「ぽろん」というのが合っているのだろうな、などと考える。ぽろんと零れる生活音。居間のドアを開け、妻が戻ってくる。化粧水を付けている。かすかにぺちぺちと音がする。いつの間にか僕は目を閉じていた。ジャージで覆いきれないくるぶしが冷たい。春が待ち遠しい。