紺色のひと

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クラゲ水族館と聖地巡礼(あと新婚的旅行)

id:matsukazutoさんが上げられたエントリに対抗すべく、今年5月に訪れた加茂水族館について写真つきでご紹介します。
元エントリはこちら↓
世界一のクラゲ水族館でクラゲ料理を喰らう! - ポンパドール・パラソル:野望編


これまでのあらすじ

4月に電撃入籍を果たした僕は、「これは新婚旅行なのか?」との疑問を抱きながら妻とふたり、8時ちょうどのあずさ5号に乗ってあなたから旅立つべく長野へ向かった。中仙道の宿場町・妻籠宿を巡った後、僕たちは新潟から一路山形県を目指すのであった。

山形県へ

青森行きの特急いなほの中、僕は興奮していた。妻も興奮していた。これからわれわれが向かうのは、山形県西部に位置する加茂水族館であったからだ。僕たちが水族館に興奮する理由として、以下の数点が挙げられる。
ひとつには、この町が僕の大学時代を表徴する想い出の土地であり、第二の故郷とも言うべき場所だからである。僕はこの町で19から22までの三年間を過ごし、汚い寮で煌くばかりの学生生活を送ったのだ。その聖地とも言うべき土地に、妻を連れてくる。聖地巡礼である。興奮しないわけがない。
もうひとつには、先頃読んだ青年漫画「モテキ」の影響である。モテキ1巻を読んだとき、僕の僕は若かりし頃のようにエレクチオンしたかは定かでないが、ともかく僕の見知ったまちに登場人物たちが訪れる描写があり、今回の水族館来訪はいちオタクとして聖地巡礼気分であった。興奮しないわけがない(一例:「モテキ」の感想を書くよ。 - 紺色のひと)。
みっつめとして、僕が魚類大好き川ボーイであることが挙げられる。幼少期より水族館に通っては水槽の位置を覚え、川に通ってはイバラトミヨを掬った僕である、未知の水族館に対する期待たるやみなさまの想像を軽く超えるはずである。
さらに(これは初耳だったのだが)、妻が無類のクラゲ好きであったことだ。これについては後述の妻の行動を読んでもらえばわかると思う。

加茂水族館と一般魚類展示

さて、いつものように前置きが長いので、そろそろ水族館の紹介に移る。
加茂水族館は、山形県つろーが市湯野浜に位置する。県内の全市町村から温泉が出ることでも知られる山形県であるが、湯野浜は海沿いの一大温泉街であり、日本海に沿って旅館やホテルが立ち並んでいる。水族館近くには県内唯一の水産高校である加茂水産高校があり、高校生が日夜育種したり海に出てサンプルを取っているという。

大きな地図で見る

クラゲで有名な加茂水族館だが、もちろん一般魚類の展示も常設している。
コウイカちゃん。

だんご三兄弟ことクロゾイちゃん。

なになに、「たくさんのホッケに混じってアイナメが一匹だけいるよ、見つけられるかな」だと? …ふふん、このおれに向かって味な挑戦を……

って喧嘩売ってんのかい!(注:アイナメ・ホッケはともにカサゴ目アイナメ科に属し、模様はかなり異なるものの外部形態はかなり似ている)


おまちかね、淡水魚展示。こちらはサケ稚魚の群影。

淡水性のカニ、モクズガニちゃん。手に毛が生えているのが特徴。


通路には、お魚好きで知られる秋篠宮様が訪れられた際のパネルも貼ってあるのだが、コメントがお茶目。

当日は秋晴れの素晴らしい天気に恵まれ、集まったウミネコの群れもひときわ美しく輝いた。飛び回るウミネコは遠慮なく糞を落としたが、危うく紀子様に当たりそうになったが、後ろに控えたお付きの方に命中し難を逃れた。

お付の方にはこの場をお借りしてお悔やみ申し上げる。

いよいよクラゲ展示へ

さて、一般魚類をひととおりまわったところで、クラゲ展示に向かった。クラゲ水槽は暗い地下階にあり、壁を黒、水槽のバックも黒にして、照明のみがクラゲを浮き立たせる見事な見せ方。妻はというと、前夜に飲み過ぎた山形銘酒「大山」で二日酔いだったはずが、クラゲを見るや一瞬で復活した(本人談)。

ビゼンクラゲ、通称青だんご。

フウセンクラゲ。動画でお見せできないのが残念なほど美しい。傘を縁取る七色が、イルミネーションのように動くのだ。

キタカブトクラゲ。

「ダースベイダーの兜」ことカブトクラゲ。

ウリクラゲ。

シンカイウリクラゲ。ウリの名を冠するこれら円筒形の形状を持つクラゲは、泳ぎに合わせて縁取りがきらめく。

ノーベル賞でおなじみ、オワンクラゲ。

いわゆる「クラゲっぽいクラゲ」であるポピュラー種、ミズクラゲ。シンプルさを逆手に取って、照明の色を変えて展示している発想がすごい。

アカクラゲ。こちらもやや赤い照明。彼らの足が絡まって、もはや二度とは解けないように見えた。僕はそっと妻の手を握った。妻は僕ではなくクラゲを見ていた。

北海道以北に生息するというサムクラゲ。別名「目玉焼きクラゲ」だそうだが、どう見ても爆発している。

圧巻の大きさ、キタユウレイクラゲ。餌のオキアミがバックになり、なんだか荘厳な雰囲気を醸し出していた。

地下階を一周し、さて上に行くか、と思ったら、興奮して息も絶え絶えの妻が「今度は動画で撮るからもう一周!」と息巻いていた。既にデジタル一眼からビデオカメラに持ち替えている。結局、もう一周した。


さてさて、おなかもすいたので食堂へ。僕たちはクラゲラーメンと、クラゲ春巻きを注文。なお、クラゲアイスはクラゲの破片が練りこんであり、コリコリしているらしい。春巻きは皮がクラゲだった。ラーメンと併せて「旨し!」と柏手を打った。


以上、とりとめもなく加茂水族館紀行でした。
妻は加茂水族館がいたく気に入ったようで、「ここに通うために移住してもいい!」とまでのたまう始末。まあ、山形県を気に入ってもらえるのは僕にとっても嬉しい。
http://www.shonai.ne.jp/kamo/


おまけ〜近傍のネタ地

特急いなほで北上中、新潟の県境で見覚えのあるカーブを発見。

そう、われらが道民のスター、大泉洋が「水曜どうでしょう」収録中、カブで「だるま屋・ウィリー事件」を起こしたあの場所である!




おまけ〜モテキの宿は

モテキ (1) (イブニングKC)

モテキ (1) (イブニングKC)

「モテキ」1巻で、フジくんといつかちゃんが泊まった宿は、湯野浜温泉からほど近い市内の温泉地、湯田川温泉。「【公式】湯田川温泉 湯どの庵 | 東北 山形県 鶴岡市 湯田川温泉の旅館」のwebサイトで、モデルとなった部屋を見ることができる。