紺色のひと

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先生と会った

上司に買い物を頼まれて行った電器屋で、高校時代の恩師にばったり会った。先生はもう僕の母校にはおらず、汽車で一時間くらいの町の学校に通っている、ということを聞いていた。
先生は老けていた。薄かった髪に特に変化はなかったけれど、顔全体にしわが寄り、心無しか背が丸くなって、それは貫禄よりも老いを僕に感じさせた。最後に会ったのはいつだったろう、と考えてみると、教育実習で担当してもらった時だから、丸4年くらい前だった。実習が終わって学校の近くのお好み焼き屋に入り、話をしながら食べて、会計のときに財布を出そうとすると「こういうときは黙っておごられておくものだよ」と言われたのをよく覚えている。ともかく、4年ぶりに会った先生は老けていた。考えてみれば、僕が高校に入って先生に会ったのも10年前のことなのだから、その記憶と照らし合わせればこの印象も当然なのかと思った。
僕の近況を報告して、「あなたの代はいくつになるんだっけ?」「25で、今度26になります」などと会話を交わした後、ではまた、と先生と別れた。
この機会に先生について深く思いを巡らせたりはしない。僕にとっては大切な先生だし、これからも連絡を取るだろう。ただ今日会ったことを残しておこうと思ったのだった。