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紺色のひと

思考整理とか表現とか環境について、自分のために考える。サイドバー「このブログについて」をご参照ください

第二回和装デート 初詣の巻

参考:第一回:2008-06-14 - 紺色のひと
昨年末から、恋人が「着物で初詣」にご執心であった。それもそのはず、彼女はさる事情で昨年新調した振袖を着る機会に恵まれず、着たい欲求ばかりが溜まっていたのだ。ならばと僕も実家に戻り、母に相談して、とりあえず全身を揃えた。暑い国で着流し時代を過ごした僕は、一枚で羽織る浴衣や女物の着物のストックはあれど、秋冬用のウールや絹の着物なんかは自分で管理できていなくて、親戚からもらってきたり祖父が着ていたものを母が管理し、たまに僕が取り出しては着る。
今回は冬だし外だし正月だし、ということで、父の使っていた虎柄の襦袢、僕の紺色の着物に父の茶の袴を合わせて、さらに濃紺の羽織、一番上にコートを着た。このコートが曰く付きで、祖父の母、つまり僕の曾祖母にあたるひとが大切に着ていたラクダのコートを、今まで誰も着ていないから、と祖母の了承を得て母が袖を取り、陣羽織のように肩を出したコートとして仕立てたものだ(しかも発想から仕上げまでまる一日で!)。足元は祖父の雪下駄を借りて使うことにした。風呂敷にカメラと貴重品を入れ、腰の巾着に京都のひとからもらった小銭入れを仕込み、準備完了である。
ともかく僕が用意を整えて待っていると、果たして恋人は現れた。総絞りの振袖で現れた。自分で着物を買うとき、あえて地味なのを選ぶひとがどれくらいいるのかは知らないけれど、ともかくそれはとても大人びていて、顔立ちを含めとてもまとまっていて、綺麗だった。
やけにはしゃぐ母と恋人で写真を撮った後、車で北海道神宮へと向かった。神宮の駐車場は予想通り混んでいて、少し登ったところにある陸上競技場に車を停めた。僕は円山球場を、恋人は円山競技場を懐かしそうに見ながらお宮へ向かい、甘酒など飲みながら列に並んでお参りをした。絵馬を書いておみくじを引いて、寒い寒いと笑いながら車へ戻り、その足で恋人の実家に新年のご挨拶へと伺った。たいへん新年らしい新年であった。
わたあめ売りのおばちゃんは「今年振袖はあなたが初めてだよ」と言った。

欲望千差万別。

僕の写真は碌なのがなかったので割愛。ちょっともったいない気もする。