紺色のひと

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10年よりも前のこと

このところ考えることが10年前、中学校にいた頃のことばかりなのが興味深い。
例えば小説をはじめとする芸術活動が、それを行うひとのそれまでの経験や記憶や思い出、あるいはそれらによって形成されてきた感性を切り貼りしたり掬いだしたりして為されるものだとしたら、僕はとにかく大学の4年間のことを書くだろう。けれど、僕がそれよりも昔のことを書く日は来るのだろうか、と思った。厳密に言えば、高校の頃は高校生活を書いていたのだから、もっと昔のことを書く日は来るのだろうか、と思った。
昔のことを考えるようになって、「以前は当たり前のことを考えもしなかったからふとそれを疑問に思うようになった」だとか、「腕っぷしが弱かったくせに好戦的だったから知識や腕力をつけようとしていたのではないだろうか」というふうに、現在の自己を形づくるうえで直接関わってくる疑問にも、ひとつずつ説明がつくようになっている気がする。どれだけ自分では情けないと思っていたことでも、やはり幼い頃のことは今に繋がっていてまったくの無関係ではありえないのだな、と本当に今さらのように感じた。