紺色のひと

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これまでに失ってきたすべての過去について

これまでに失ってきたすべての過去について考えている。
窓からは4月の温く冷たい風がゆっくりと部屋に吹き込んできている。恋人の部屋のベッドに寝転がって、彼女の肩を抱いて、窓の外のハトの声に耳を澄ましている。彼女は僕の頬の肌荒れを気にして、指先でそっとなぜた。
今僕のいるこの未来も、到底想像だけでは到達できなかったところにある。汚れた寮の洗面所で顔と頭を一緒に洗い、よれよれのシャツで近所を散歩していた僕がこんなふうに時間を過ごしているなんて、どの僕も想像し得なかっただろう。
いつまで続けてゆけるのか、という不安はない。というよりも、今このときが、僕のこれまでのそしてこの先の人生の中でどこに位置しているのか、未だわからないのだ。24歳、僕にとって大切な年齢になっている。今がかつての未来で、今がいつかの過去だ。