紺色のひと

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イロクロ

恋人と別れてすぐ、カメラにモノクロフィルムを入れた。別に哀しい気分に浸りたかったわけでも、世界が灰色に見えたとかでもない。それで3週間が経って、切ったシャッターはたったの5回だった。駄目なのだ。冬だということもあるのだろう、白黒ではとても足りなかった。たまに沈む気持ちを写そうとするのでも、今カメラを持とうとするのでも、モノクロのフィルムではどうしても駄目だった。たぶん僕に白黒を使わせようとするには、恋人と別れたくらいじゃ駄目なのだろう。そもそも、誰かの影響以外で、白黒の写真を撮りたいと思ったことなんてなかった。哀しいことがあっても、嬉しいことがあっても、僕が見ているのは色つきのどぎつい景色なのだ。