紺色のひと

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言葉を作った奴にこの野郎 second season

5年と半年付き合っていた恋人に別れ話をした。昨晩から話を始めて、今朝起きて話の続きをして、そしてやっぱりというか、初めから予想できていたことなのだけれど、最後は意地の張り合いになって、出先の地下街でさよならを言って僕がその場を立ち去っておしまいになった。
きれいに終われるわけなかった。それでも僕は都合のいいように、最後は僕の言うことをわかってくれるかとどこかで思っていたけれど、恋人は最後の最後まで自分の考えを曲げなかった。双方納得のゆく形で、なんて僕たちみたいな子どもには無理な話だったのだ。高校生だったZONEですら最後は笑って笑顔でさよならせつないよねできていたのに、僕は自分がそういう考えであることを伝えて、彼女が泣くのを見ていただけだったのだ。
理由はいくつかあるけれど、今一度書くために思い出すのも億劫で、僕は最後に一緒に買ったTシャツを眺めている。家に帰ればそこらじゅうから彼女の雰囲気が匂うだろう。今日を区切りに、自分の中でなにかわかりやすい変化をつけなければいけないと思って、ライターをひとつ買った。
彼女は言った。
「一緒に円山動物園行こうって言った」
僕は言う。
「言ったね」
彼女は続ける。
「もっかい小樽行こうって言った」
「冬道苦手だから雪融けてからドライブ行こうって言った」
「そういうの全部大事にしてたつもりだったんだけどなぁ」
僕は言い返すことができなかった。
嫌なタイミングで電話が鳴る。心の中から、どいつもこいつもおれの邪魔をしやがって、って言葉が溢れてくる。たすけて時間さま。