紺色のひと

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もし森ガールがゆるゆるファッションで実際に『森』へ入ったら


森ガール――”森にいそうなファッションの女の子”――というmixi発祥の言葉が市民権を得て久しいです。クマさんリスさん妖精さんらに囲まれて、やわらかな木漏れ日の中でまったりと時間を過ごすイメージなのでしょう。しかし山男や森ボーイ、そして野外活動を好む女性の皆様におかれましては、そんな風潮にどこかモヤモヤした感情を隠せなかったことと思います。そう、森はそんなに甘くない、と。
ということで、森ガールが(正確には森ガールっぽく女装した森ボーイが)ふわふわファッションで森に入るとどういうことになるのか、実際に試してみました。

まず、森ガールとは

「森ガール」とは文化系女子のライフ・ファッションスタイルのひとつです。森ガールの定義は多々ありますが、代表的なものを森ガール雑誌より引用します。

  • ゆるい感じのワンピースがすき
  • パフスリーブにきゅんとする
  • ラウンドトゥが好き
  • 友達に「森にいそうだね」と言われたことがある

別冊 spoon. (スプーン) 2009年 03月号 [雑誌]

別冊 spoon. (スプーン) 2009年 03月号 [雑誌]

などなど、裾に向けて広がったワンピースにレースの刺繍、かわいらしい動物のモチーフをあしらった小物にぺたんこの靴などのファッションを好む女性――を総称して森ガールと呼びます。書店で専門誌がいくつか並ぶなど、そのライフスタイルも世間一般に浸透しつつあると言ってよいのではないでしょうか。
しかし、森ガールが実際に「森にいそう」かというと疑問が残ります。森はかわいらしい動物や妖精さんたちの住処であるだけでなく、彼ら生きものの生活の場で、厳しい自然そのものです。生半可な格好で入ろうものなら、森はガールに鋭い牙を剥くでしょう。

そもそもこんな恰好で森に入ろうなんて、お前ら森ナメてんだろ? そうなんだろ? 森と言えば妖精さんとかクマさんキツネさんがキャッキャウフフしてると思ってんだろ? 刺された痛さでハチとカとアブの区別つかないんだろ? 蒸れる雨具の下の肌着の重さとか、顔面に突如貼り付く水滴つきのクモの巣とか想像だにしたことないんだろ? わーきれいなお花!とか言ってツタウルシでも掴んでしまえよ! 手斧で間伐やって出直してこい! ついでに裾のレースもナワシロイチゴに引っ掛けて来い!
われは森の子、森ボーイ−紺色のひと

なんて考えるひとが出てくるのも不思議はありません。果たしてその憤りは正しいのか? 本当に森ガールは森をナメてるのか? 検証すべく、僕は女装道具一式をひっさげ、飛行機で北海道から東北地方のとある森へと向かいました。

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