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紺色のひと

思考整理とか表現とか環境について、自分のために考える。サイドバー「このブログについて」をご参照ください

春が来たりて風が吹き、氷は海へと還るのだ

三月。年度末のこの時期は、毎年忙しい日が続くのだけれど、今年のそれはちょっと尋常ではなくて、二月の中頃から休みなしでの出社が続いた。今月の頭に一度、三連休で山形に行った他は、休みの日に娘と遊ぶこともできず、粛々とおしごとをこなさざるを得な…

米を煮て食うだけの日々

仕事が繁忙期を迎え、家に帰る時間が遅くなる日が続く。土日を費やしてもやることはまるで減らず、娘マチ子の顔は朝起きて保育園に連れていくまでの間にしか見られなくて、妻から聞く話で言葉の上達に驚いたりする。マチ子の寝かしつけのまま妻が寝落ちてし…

冬の水面

静かな心持ちでいたいのだ、深い雪の中を流れる冬の川のように。静かに笑い涙して、優しく微笑んでいたいのだ。たとえ針のような言葉を投げつけられても心折れることのない、静かで強い心が欲しいのだ。ひとりきりでも生きてゆけるくらい、冷たく強い心が欲…

2013年、これはむしろ僕のソフトパレード

年賀状と、仕事と育児を理由に放ったらかしになっている部屋の片づけを少しだけ進めていたら、もう31日を迎えていた。慌しいというよりはただ自分の時間の使い方がうまくできていないだけの気もするし、娘の相手をすることを最優先にしたいと思いつつも、生…

SYNAPSE Classroom vol.3「人と動物のつきあいかた」に参加します

2014年1月25日(土曜)に東京で開催されるイベント、SYNAPSE Classroom vol.3「人と動物のつきあいかた」に、"生徒役"として参加することになりましたのでお報せします。 SYNAPSE Classroom vol. 3 | 学術と社会を繋ぐ SYNAPSE Project 「SYNAPSE project」…

銃のさざなみ

感受性の豊かだった時代は過ぎ去り、荒ぶった心持ちを詩や小説に叩きつけることをしなくなった。心を平静に保つ術を得た代わりに、立ったさざなみの運動エネルギーを大切に覚えておくことができなくなった。大人になるのはつらいことだ。 かねてからの検討事…

記念写真と荒ぶりはじめた僕の腹部的な何か

毎年、10月の三連休には記念写真を撮ることにしていて、今年で4回目となった。結婚披露宴からまる4年経っている(結婚5年目)はずなのだけれど、まだそれだけかというのと、あっという間だったなというののどちらの気持ちもあって、時間の経過についてきちん…

マチ子1歳半までの絵本履歴

娘マチ子、もうすぐ一歳半。いつのまにか自分でカラーボックスから絵本を引っ張り出して「はい! はい!」とせがむようになった。とても嬉しい。これも妻が積極的にそういう時間をつくってくれていたからだろうと思う。記録をかねて、今うちにある絵本を並べ…

『パシフィック・リム』みたメモ

各所で話題の「パシフィック・リム」を見てきました。おもしろかったです。初代ウルトラマン・平成ゴジラ以外の特撮作品をあまり見たことがない特撮ファンとして、とりあえず思ったことを書き殴ってみます。 12.11 ブルーレイ&DVDリリース レンタル/VOD 同時…

はじめてのキャンプと積丹ブルー

夏休みらしい夏休みもない。おでかけの予定が入っていない土曜日の朝、車にテントやら何やらを積み込んで出発した。目指すは西、積丹半島だ。 娘マチ子にとってはこれが初めてのキャンプとなる。僕がひとりで野外宿泊をする機会は結婚後もちらほらとあったの…

Don't trust over 30のおれ

川のすぐそばで水音を聞いている。 川を遡る魚が好きだ。 生まれた場所に戻り命を繋ぐロマン、なんてものではなく、流れに逆らって上る、という行為そのものに憧れを抱く。はじまりの場所を目指して遡る。遡上親魚にとって、リバーズ・エンドは河口ではなく…

最期の終末

まあその、なんだ。 僕の話です。 僕にとって、24歳という年齢はちょっと特別だった。 高校生くらいのとき、自分がこの先どんなふうに歳をとっていくのかを想像してみたことがある。高校を出て、大学に通って、仕事をして、24歳になって、そのあとがぷっつり…

俺の美声でカエルを発情させてみた

春。 それはカエルたちの恋の季節。 そこに参戦するべく、恋ノ邪魔者たる僕は、美声をひっさげて水辺に向かった! エゾノリュウキンカ咲き乱れる水辺。雪解け間もない頃、エゾアカガエルたちは恋の相手を探し、コロコロと悩ましげな声をあげる―― かと思えば…

サンショウウオの卵もおいしそう?

春が遅い。本当に今年は春が遅い。エゾヤマザクラの花がようやく咲き始めました。 4月の下旬まで寒々しい日が続き、遊びに行った先の山々に積もった雪は少しも減っている気がしません。札幌市内でも好天に恵まれず、連休は冷たい雨に降り込められて鬱々と過…

『もし森ガールが…』が中国の雑誌『知日』で紹介されました!

「もし森ガールがゆるゆるファッションで実際に森に入ったら」。森ガール風に女装した男が実際に森に入ってナタやチェーンソーを振りまわす様子は、たくさんの方に読んでいただけて、当ブログ一の人気記事となりました。日本の森ガール熱もやや治まった2013…

日本熊森協会のヒグマ認識がひどい

本ブログでは、”実践自然保護団体 日本熊森協会”に対し、その活動や生物への認識に明らかな誤りや偏りがあり、問題が大きいことを指摘・批判してきました。 熊森協会の主な活動場所は本州、ツキノワグマへの言及が多いのですが、ここ2年ほど北海道のヒグマ…

妻と両生類が完全に一致

僕の妻はクラゲが好きで、山形県にあるクラゲで有名な水族館に行ったときはしばらく展示階から動かなかった。結婚してから、妻は両生類・爬虫類の類も好きなようだ、ということを知った。僕はおさかなが好きで、両生類もまあ嫌いではないし、どちらかという…

親になる一年

僕の仕事がひと段落したのと、一年子守りで篭もりっきりの妻の慰安をかねて、温泉旅館に一泊してきた。胆振方面の古い温泉街で、今はやや寂れつつあるが、30年前には祖父もよく通ったと聞く。国道沿いの海産物直販所で中国人観光客の皆さんに混じって水槽の…

出すのはムダなの!?「コピペでパブリックコメント」の問題点

「パブリックコメント」をご存知でしょうか。政策などを決めるにあたって、国民からの意見を聞くための制度です。このパブリックコメントを巡っては、以前から「コピー&ペーストによる同一意見の提出」が問題視されています。なぜ、コピペではダメなのか? …

ウナギが絶滅危惧種!? レッドリスト選定について

「土用の丑の日」など、日本の食卓に馴染みの深い魚のひとつであるウナギ。日本には「ニホンウナギ」という種類が主に生息し、古くから食材として利用されてきました。このニホンウナギが絶滅危惧種に、という衝撃的なニュースが流れたのをきっかけに、背景…

2012年、僕たちの、僕と妻と娘のソフトパレード

高校生の頃、12月31日。夕方になると自分の部屋にこもって、「今年も終わるんだなあ」なんてことを考えながら、無理やりに自分を感傷的な気分に追い込もうとした。それが僕の年越しのあり方で、かなりの間その儀式は続いていたのだけれど、ここ数年の年末に…

メリークマムシ!クマムシさん手ぬぐいの活用法

みなさん、ちょっと遅くなったけれど、メリークマムシ! ひと呼んで「不自然な森ガール」、みやまちゃんです。 このあいだ、日本のほこるクマムシけんきゅうしゃ・ホリカワさんからプレゼントがとどきました! とってもうれしかったので写真をとってみました…

海のむこうに/手向けの花が選べない

漁火が見えた。丘の高いところを走っているときは随分近くに思えたのだけれど、道路の海抜が低くなるにつれて光は水平線に吸い込まれていって、僕が思っていたよりもそれらはずっと遠い海の向こうの、水平線に近いほうに出た船のようだった。 まだ暑くなる前…

記念写真と荒ぶる娘のハーフバースデー的な何か

10月10日は僕と妻の結婚披露宴があった日である。せっかくだし、毎年記念写真を撮っている。今年は3回目、4年目の撮影になった。 結婚して間もない頃、義母から「結婚して3年間は新婚さんだからねー」と言われたのをよく覚えているのだが、その定義に照らせ…

おむつ夜曲

暑かった九月もいつの間にか終わりを告げようとしている。マチ子は5ヶ月になり、つい先日寝返りをうつことを覚えた。離乳食も始まり、表情も豊かになってきて、いよいよ眠って泣くだけの生き物ではなくなっている(大分前からそうではあるのだけれど)。 出…

北海道の冬、原発なしで電力は足りるか?について考えてみた

全国的に「節電の夏」です。大飯原発の再稼働に始まり、反原発デモ、関西電力と大阪市長のやり取りなど、原発・電力関連のニュースが連日流れています。僕の住む北海道では、「北海道で24時間の節電検討」という次の冬が心配になるニュースが…。本エントリで…

新訳「ドリトル先生アフリカへ行く」新旧を比較してみた

子供の頃に何度も繰り返し読んだ「ドリトル先生」シリーズ。2011年からかわいらしい挿絵つきの新訳が角川つばさ文庫から出版されていると聞き、さっそく読んでみました。挿絵のキャラ描写や訳の新旧を比較してみるとともに、新訳を「子供向け作品としてのド…

ウニじごく

北海道オホーツク海側に住む妻のおじいちゃん家から、オレンジ色の海産物が届きました。ウニです。 エゾバフンウニです。 通常、身といわれ食用にされるのは卵巣の部分で、エゾバフンウニの身は鮮やかなオレンジ色なのが特徴です。ウニは雑食なので何でも食…

花の名という題名

ずっと、「あの花の名はなんだ」というタイトルの小説を書きたいと思っている。アニメ「あの花」が出てきたときは正直やられたと思った。それはともかく、寮を舞台にした私小説を書いたとき、同じ題の章を書き始めたが、友人の死についてうまく言葉にできな…

眠ってくれるとありがたい

娘・マチ子が生まれて一ヶ月。妻も実家から帰ってきて、三人と一匹の生活が始まった。一ヶ月検診では「おとなしいいい子ですね」とのコメントを頂戴したと聞いたが、他の赤子と生活した経験がない僕にとっては、マチ子の夜の泣き声はなかなか堪えるものがあ…

汚れた季節に世界がひらけ、君の名は決まった

三月下旬から四月上旬は、この街が最も汚くなる季節だ。冬の終わりとも春の訪れとも言い切れない、暖かいようなまだ寒いような半端な気温で、道路脇に積もった雪が解け始め、融雪剤を含んだまだらの暗灰色の山があちこちにできる。足元はびしゃびしゃでざり…

人気科学漫画『サバイバル』シリーズでEMが紹介されている件(追記あり)

小学生に人気の科学学習漫画「サバイバル」シリーズをご存知でしょうか? 韓国発のこの漫画、各国語に翻訳され、日本でも累計50万部が出版されているそうです。このシリーズのひとつ「新型ウイルスのサバイバル」で、ニセ科学的な思想が含まれている「EM」が…

時には自覚の話を

妻の出産予定日まで、あと20日。休日は家で過ごすことが多くなった。いや、いつもどおり出かけているような気もするし、いつもどおり家でだらだらしている気もする。休日は留守番していることが多かったプッセ、部屋の中をあちこち走り回ったり、暖房の上で…

アウトドア・フィールドのための長靴選び

3月も半ばを過ぎ、春が近づいてきたような気がします。 野外でも生きものたちが動き出し、それを追う生きもの大好きっ子さんたちの息が荒くなる季節です。 本エントリでは、アウトドアレジャーや野外フェス、外遊びに欠かせない長靴のリーズナブルな選び方…

「クマムシカフェ・イン・札幌」に せんにゅう!

去る2012年3月2日、北海道札幌市にてクマムシイベント「クマムシカフェ・イン・札幌」が開催されました。今回はクマムシカフェのリポートをお届けします(ご本人の許可を得て写真を撮影しています)。 なお、記念すべき第一回のクマムシ集会はパリで行われて…

世界と向き合うこと、子どもに向けるカメラのこと

僕のフィルムカメラ、NikonFEは防湿庫の奥で眠っている。先日引っ張り出したら、露出計の針が動かなくなっていた。電池を換えても駄目だ。 この街に戻ってきた6年前。見知ったはずの土地が全然違うところのように思えて、あちこちでシャッターを切っていた。…

『ガラナな』ようこそ!北海道限定飲料ガラナ荘へ!

北海道のローカルフードを語る上で忘れてはいけないのが飲み物の存在。ビールや乳飲料と並ぶ知名度を誇る炭酸飲料、それがガラナです。他の都府県では手に入りにくい一方、道内ではファンが多く、熱心なコレクターによる先行研究webも存在します。本エントリ…

熊森協会の科学観と「奥山保全・復元学会」の閉会

日本熊森協会の森山まり子会長が学会会長を務める「日本奥山保全・復元学会」が閉会してしまいました。この学会についての流れを追いつつ、僕が熊森協会に期待していたこととか、協会の科学に対する向き合い方で問題があると感じたことについて、つらつらと…

たくさんのふしぎ「コテングコウモリを紹介します」を紹介します!

福音館書店から出版されている子ども向け科学絵本「たくさんのふしぎ」をご存知でしょうか。「絵ときゾウの時間ネズミの時間」「ノラネコの研究」「アラスカたんけん記」などなど、科学や歴史、文化などのさまざまな分野で、なにかに夢中になっている専門家…

冬の朝に森に出てみようと思った

朝の森を歩きたくなって、物置からスキーを引っ張り出した。細すぎる板とストック、靴を車に積んで、カメラを持って出発した。 僕はスキーが得意だった。高校を卒業するまで随分練習させてもらったおかげで、冬の体育の授業でスキー場に行ったときだけ人気者…

ステマじゃないよ!北海道は名物以外もおいしいです(^o^)

「食べ物がおいしい」。北海道を観光される方にとって、魅力的な要素のひとつだと思います。「北海道の料理は料理じゃない、材料だ」なんて揶揄されたりもするのですが、僕は思います、「材料で勝負できるのだからそれで良いじゃないか」と。 北海道の食べ物…

2011年、僕たちのソフトパレード

時間の感覚が薄れてしまって、年が変わるカウントダウンがうまくできずにいた。僕にとって12月31日は、部屋の床に寝転がって窓の外を見て、今年何があったかを思い出しながら噛み砕くような作業が必要な日だ。今年は30日になってもその気持ちの切り替えがう…

妻のお腹のことと、中のひとのこと

寮のことをゆっくり考える間もなく、あっという間に11月は過ぎてしまいました。この記事を書いているのも12月の終わり頃で、年の瀬の慌しさなんかを感じたりしています。 今週の末で、妻のお腹は7ヶ月を迎えます。日に日に大きくなってゆくお腹を毎日のよう…

男!ふんどし!『ケイメイ寮祭 THE FINAL』のすべて

僕が大学生活を送った寮には、ふんどしになって夜の街を練り歩き、最後には公園の堀に飛び込む――という実に「大学男子寮のステレオタイプ」な寮祭がある。諸事情により今年で45年の歴史に幕を閉じることになった寮祭を淡々とレポートするよ。 『世の中には二…

寮私小説『モーニングスター』6.別れの歌がうたえない

ああ、きっと、目まぐるしく続くこの生活は、何かに気付いたときにはもう終わりを迎えているのだろうな。 映像を伴った強烈な記憶がある。卒業を前にした、十一月頃のことだったと思う。 僕たちは、近所のスーパーに買い物に出かけたのだ。四人揃って、自転…

寮私小説『モーニングスター』5.山霧が、晴れました

寮についての最初の記憶はなんだっただろうか。さして深く潜ることもなく、僕は思い出すことができた。 初めて僕が寮を訪れたのは、そこに住むことになる半年ほど前、二〇〇二年の九月のことだった。見慣れない土地の寂れた道を歩き、辺りを見回しながらなん…

寮私小説『モーニングスター』3.四天王、来札

「――というようなことをさ、現在のおれの状況とか交えながら書いて行こうと思うんだけど」 僕のアパートに着き、荷物を降ろしたふたりに言った。 「きっかけがあってさ、寮小説書こうと思ったわけ。でも、おれのことだからなんか自分以外に急かされないと完…

寮私小説『モーニングスター』2.それはまさに明けの明星

誰かが廊下を歩く気配がして僕は身を起こした。同時に頭の奥に腐ったような痛みを感じ、ひでぇなぁと呟いてゆっくりと体を横向きに戻した。曇り空は明るく、枕元の携帯電話に手を伸ばすと二時を過ぎたところだった。床に湿ったふんどしが落ちているのが見え…

寮私小説『モーニングスター』1.寮の話を始める前に

僕は待っていた。 小説を「つかまえる」というなかなか素敵な言い方がこの世にはあって、あえてそれに倣うならば、この十日程の間、書き出しが向こうから僕につかまえてもらいに来るのを待っていた。 思えばニ年以上、寮で生活していた期間を含めればもっと…

寮私小説『モーニングスター』について

「モーニングスター」は、僕が2008年に書いた私小説です。 大学生活を送った寮について「自分のために書き遺す」ことを最大にして唯一の目標として執筆を進め、08年7月・10月に市内で行われた同人誌即売会で頒布しました。 この度、その舞台となった寮が建て…

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